■四重極型質量分析計とは
四重極型質量分析計(Quadrupole Mass Spectrometer, QMS)は分圧真空計の一種で、真空システム内の残留ガス組成を評価するための最も典型的な測定器で、残留ガス分析計(Residual Gas Analyzer, RGA)とも呼ばれます。
ここでは特に熱電子衝撃(EI)型の四重極型質量分析計を指し、通常はイオン源・四重極・検出器の3つの部分から構成され、測定対象のガスはイオン源内部で熱電子の衝突によりイオン化され、四重極によりフィルタリングされて検出器へ到達し、イオン電流値として計測されます。
得られたイオン電流の値は、真空装置の気密性・リークの有無や、汚染の有無を判断したり、真空プロセスを運転する際の特性評価など、さまざまな状況で真空システムに関する有意義な情報を提供します。
このタイプの分析計が動作するためには、高いレベルの真空が必要なため、適切な真空排気装置と組み合わせて測定環境に適したシステムの構築が必要です。その為、大気圧のガス測定・プロセスガス測定等、用途に応じて特定の圧力に適した設定の製品も提供されています。
■ 四重極型質量分析計の動作原理について
四重極型質量分析計の内部構造や動作原理の解説動画がございます。
下記ボタンより専用ページへ移動ください。
真空基礎講座では、四重極型質量分析計を始めとする各種真空機器(各種真空ポンプ、真空計、リークディテクター等)の内部構造や動作原理、特徴など、真空技術の基礎について動画を用いて解説しています。オンデマンド(録画)配信ですので、いつでも好きな時間に視聴することができます。
■ファイファーバキューム社製 四重極型質量分析計の特徴
- 高速測定・ワイドダイナミックレンジを実現したクラストップレベルの基本性能
- 測定質量範囲・イオンソース形式・フィラメント材質・I/Oオプション等、用途に応じた構成を選択
- 高機能な測定・分析用ソフトウェア「PV MassSpec」が標準添付
- オープンなAPI、LabVIEW対応ドライバによる独自ソフトの開発が可能
- Pfeiffer Vacuum社の誇るワールドワイドサービスにより、世界で60か所を超える拠点でのサービスに対応
■製品ラインナップ
QMG250 PrismaPro® 四重極質量分析型 残留ガス分析計
高感度、クラス最高レベルの安定性、インテリジェントな操作性を兼ね備えたPrismaPro®は、ガス分析に適したソリューションです。
PrismaPro®は、熱電子衝撃(EI)イオン源を装備した四重極型質量分析計の最小構成ユニットで、モジュール方式によりイオンソース・フィラメント・質量範囲等、ニーズに合わせた構成を選択できます。その為、工業用、分析用、研究開発用、半導体製造用、コーティング用など、多様な用途に対応できます。
さらに、Pfeiffer Vacuum社が提供する真空ポンプ・真空計・真空機構部品等の高品質な真空製品と組み合わせることにより、品質保証、リーク検出、残留ガス分析から、複雑な定量分析まで、幅広いアプリケーションに対応する理想的なソリューションです。
GSD350 OmniStar®/ThermoStar® 大気圧ガス分析計
PrismaPro®と専用設計のガス導入・差動排気機構を軽量でコンパクトな筐体に組み込んだ、小型・高性能な大気圧用ガス分析計です。
小型の筐体に内蔵された専用設計の差動排気真空システムにより、導入された大気圧ガスを四重極質量分析計PrismaPro®の動作適正圧力に速やかに減圧し、装置単体で連続測定・分析を行います。
ガス導入機構に直接接続された専用設計のイオンソースにより実現される高速な応答性と低バックグランド性能から、幅広いアプリケーションでの分析を実現。さらに強制ガスパージ方式の耐腐食性オプションも搭載可能です。
また、安全なベーキングシステムを標準装備し、ガス導入部のキャピラリーは最大200℃、もしくは最大350℃までの温度制御が可能です。内蔵された分析チャンバーも専用のヒーターによりベーキング可能です。
前面の取り外しも可能なタッチパネルは、真空引きの開始から測定・停止に至るまで容易な操作環境を提供します。
ご不明な点がございましたら、お問い合わせフォームからご質問いただくか、右のボタンより質量分析計のよくあるご質問-FAQのページをご参照ください。
■製品情報
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